VPNを使うと速度が遅くなるって聞くけど、実際はどうなんだろう。あまり遅くなりすぎるのも困るけど安全性は確保したいし・・・何かいい対策もあれば教えてほしいです。
こういった疑問に答えます。
理論的に言うと、VPNを使うことで速度が落ちるのは事実です。暗号化したりそのためのサーバーを1つ多く経由するため、要因が増えると考えるのであれば当然ですね。
とはいえ、実際どれくらい違いが出るのか?と気になる方もいるかと思います。
そこで本記事では、スタバなどを含めたいくつかのフリーWi-Fiを使用し、速度を計測してみました。
これからVPNの利用を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

VPNは遅いのか?フリーWi-Fiをいくつか使って検証してみた結果

結論から言うと、気になるほどの速度低下は見られませんでした。
今回、検証に使わせてもらったフリーWi-Fiは、下記の店舗のものです。
- スターバックス
- マクドナルド
- ドトールコーヒー
それぞれ数値も含めて詳しく解説していきます。
検証環境- 端末:iPhone 13
- VPNサービス:NordVPN
- 速度チェックツール:FAST.com
スターバックス
VPNの使用 | ダウンロード | アップロード | レイテンシ(アンロード済み) | レイテンシ(ロード済み) |
---|---|---|---|---|
なし | 33Mbps | 42Mbps | 24ms | 36ms |
あり | 48Mbps | 46Mbps | 27ms | 152ms |
スタバの「at_STARBUCKS_Wi2」を使って検証してみたところ、なぜかVPNを使った方が速度が出ています。しかしながら、計測中に波が大きかったことを含めると、安定感としては未使用の方が上かもです。
とはいえ、体感として変わるレベルでもないので、VPNを使うことにそこまで問題があるとは言えないですね。
マクドナルド
VPNの使用 | ダウンロード | アップロード | レイテンシ(アンロード済み) | レイテンシ(ロード済み) |
---|---|---|---|---|
なし | 30Mbps | 39Mbps | 22ms | 57ms |
あり | 36Mbps | 48Mbps | 25ms | 144ms |
マクドナルドの「00_MCD-FREE-WIFI」を使って検証してみたところ、こちらでもなぜかVPNを使った方が速度自体は速いという結果となりました。
ただし、PING値が高めではあるといった感じですね。
動画視聴なども問題なくできるレベルなので、よほど重たいデータの送受信さえしなければ快適だと言えます。
ドトールコーヒー
VPNの使用 | ダウンロード | アップロード | レイテンシ(アンロード済み) | レイテンシ(ロード済み) |
---|---|---|---|---|
なし | 27Mbps | 28Mbps | 23ms | 67ms |
あり | 32Mbps | 20Mbps | 26ms | 123ms |
ドトールコーヒーの「DOUTOR_FREE_Wi-Fi」を使って検証してみたところ、差はほぼないかなという結果でした。こちらもVPNを使ったから特別速度が落ちるということはなく、快適に作業ができています。
余談:5Gの回線で検証すると少し速度が落ちました
全体的に速度の低下は見られなかったのですが、5Gの回線でも検証をしたところ、速度の低下が見られました。
- VPN未使用時:110.08Mbps / PING 35 ms
- VPN使用時:80.92Mbps / PING 35 ms
具体的な数値は上記のとおり。
30Mbpsほどですが、速度の低下が見られます。とはいえ、80Mbpsもあるので十分すぎますね。
今回はこのような検証結果となりましたが、環境によって大きく差は出てきます。あくまでも参考として捉えつつ、自身の環境はしっかりと整えておくようにしましょう。
というわけで、ここからは環境改善として「VPNが遅いときにするべき対策」などもお伝えしておきます。
VPNが遅いときにするべき3つの対策

VPNを使って遅いときに、できる対策としては次の3つです。
- ①ネット回線を変える:回線自体に問題がある場合の対策
- ②サーバーを変更する:サーバーに問題がある場合の対策
- ③サービスを変更する:サービスに問題がある場合の対策
対策できる内容としては上記のとおりです。
原因によってもやるべきことは違いますが、この辺りは速度においての根幹だったりします。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①:ネット回線を変える【回線自体に問題がある場合の対策】
VPNが遅いと感じるのは、そもそも利用している回線自体が遅い・・・もしくは不安定ということがありえます。
この記事でもいくつかのスポットで検証しましたが、利用する場所によって回線の品質には大きく差がありました。
なので、回線選びはかなり大切です。
不安定すぎると「iPhoneでVPN接続できないときに確認すべき設定」という記事でも紹介したように、そもそもVPNがつながらないという問題も起こったりします。なので、まずは利用している回線に問題がないかを確認してみましょう。
②:サーバーを変更する【サーバーに問題がある場合の対策】
続いては、VPNのサーバーに問題があるケースですね。ここでは可能性として2つのことが考えられます。
- 利用しているVPNサーバーの距離が遠すぎる
- VPNサーバーの利用者が多くて混雑している
こういった場合は、サーバーを変えてしまえばOKです。
現状で遅いと感じるのであれば、「なるべく近く」の「混雑していない」サーバーを選ぶようにしましょう。有料のサービスであればサーバーの質は高いので、基本は近くのサーバー(日本にいるなら日本)を選ぶだけでOKです。
③:サービスを変更する【サービスに問題がある場合の対策】
できる対策の最終手段は、利用しているVPNサービスを変えることです。VPNはサービスによって、その品質に違いがあります。
なので、安定して使いたいなら、より高品質なサービスを利用しましょう。
無料サービスを使っているけどなんだか遅い・・・なんてことは普通にあること。VPNを快適に使いたいなら、サービス選びも重要視することをおすすめします。
»参考:【iPhone向け】おすすめのVPNサービス3社を徹底比較|使い方で選びましょう
まとめ:高品質なVPNサービスを利用すれば「遅い」なんてことはない

この記事では、VPNを使って速度がどれくらい低下するのかを検証しつつユーザー側でできる対策についてまとめてみました。
低下率も最大でも25%ほどのダウンしかなかったですし、速度的にも遅いと感じるレベルではないです。
あくまでも品質の高い「NordVPN」で検証した結果なので、他だと若干違いは出るかもですが、VPNだから遅いなんてことはないということが実証できたかなと思います。
VPNは本来、サービスの品質と接続している回線に問題がなければ、快適に使えるものです。
遅いかもという理由で使うことを諦める必要はないので、この記事を参考に自分に適した環境で使えるようにしてみてください。
